傍流

現役大学生の僕が思うことを思うままに書いていくブログです

12月8日(火)【荒れた手、冷たい夜】

大学生の会話というはどうやらセックスから離れられないらしい。それが嫌というわけではない。栄誉、虚勢、心酔。他に面白い話題があるってわけでもない。

ただそうだ、自分ができる話を強いて挙げるなら死の話だ。これには教養も知識もいらない。ただ考えた時間だけが語る口になる。人類全員が平等に持っていて、性別や、階級や、年齢、あらゆるものが関係ない。まさしく万人に共通する話題だ。死ぬときは目が見えなくなってから耳が聞こえなくなるのか、その逆か、とか。正中線から輪切りに切っていったら自意識は左右どちらにあるのか、とか。雄弁に饒舌に語ってみせるのに。実際にはこんな話題は机上に上がらない。現代では死はパッケージに入ったイベントの一つなんだろう。墓を買うイベント。保険がおりるイベント。席が空くイベント。どうやら快適さと引き換えに自分たちの生死が自らの手から離れてしまったみたいだ。

理想の死に方という点では、母の手に抱かれて死にたいとは思っていた。幼い頃の話であるが。その頃の自分の知る世界はずっと狭かったろうし、まあ死の世界も近かったんだろう。今はわからない。ただ気持ちはわかる。孤独を嫌ったんだろう。今はなんというか、根底の感情は共通するのだが、同じイメージは抱かない。場合によっては、人といる方が一人でいるより孤独を感じることがあることを知ってしまったからかもしれない。